豊かな大自然の中、第二のお母さんとして、子どもたちの成長を見守る
11年間、中南米で仕事をしてきて、帰国をきっかけに上野村に移住し、山村留学事業「かじかの里学園」で指導員として子どもたちの成長を見守る今田さん。「かじかの里学園」での仕事や上野村での生活について伺いました。
- 今田 千草 さん
- 福岡県糟屋郡 出身
- 村民歴 2年5ヶ月 ※2023年2月時点
上野村に移住したきっかけは?
「上野村に移住する前までは、中南米で国際協力関係の仕事をしてきました。
最初に、南米に行くきっかけになったのが、青年海外協力隊だったのですが、そのときの研修先が、群馬県甘楽郡の自然塾寺子屋というNPO法人でした。そこの代表の矢島さんという方に海外にいる間も色々な相談にのってもらったりと、お世話になっていたんですよね。
コロナ禍をきっかけに本帰国することになって、日本に帰国する際、矢島さんに「日本の農村で子育てをしたい」と相談したところ、上野村を紹介してもらいました。」
「かじかの里」で仕事をはじめたきっかけは?
「上野村を紹介してもらって、いろいろ調べている中で、山村留学という事業を村がやっていることに関心をもちました。
日本で子育てをするなら田舎がいいなと思っていて、自分が母親になったことで教育に興味を持っていたのもあったので、教育関係の仕事にチャレンジしてみようと思いました。」
「かじかの里」について教えていただけますか?
「「かじかの里学園」は、村が運営している山村留学事業で、小学校3年生から中学校2年生までの子供たちを1年間お預かりして、地元の小学校や中学校に通わせながら、自然体験や生活の中でいろいろな体験学習をする場所です。共同生活を通して、子どもたちが主体性や協調性を身に着けられる環境ですね。」
「かじかの里」ではどんなお仕事をしていますか?
「指導員というポジションで子どもたちに関わらせてもらっています。先生というような仕事ではなく、子供たちのお母さんのような立場で仕事をしています。
朝起きてきたら、みんなで挨拶して、掃除をして、ご飯を作って、食事を一緒にとって、食事中の姿勢とか注意したりもしていますね。学園内の仕事を子供たちと一緒にやって、やり方や考え方を教えたりしながら、子ども達の成長をサポートしています。学校が休みのときは、川や山に遊びに行ったり、畑を耕したりして、子ども達と一緒に遊びながら過ごしています。」
「かじかの里」でのお仕事をしてみていかがですか?
「今まで教育の仕事をしてきたわけではないので、とても難しいなと思いながら毎日過ごしています。どうやって声をかけたらいいのか、どうやって褒めたらいいのか、どうやって叱ったらいいのか・・・などすごく悩むことも多いです。毎日悩み模索しながら子どもたちと向き合っています。」
上野村に来てみてどうでしたか?
「ここは移住者も多くて、村の人もオープンな人も多いですね。閉鎖的な雰囲気がなくて、そういうところがいいなと思っています。
ただ、自然が厳しいですね。自然が厳しい分、みなさん助け合って生活しているんですよね。ご近所さん同士で雪かきをしたり、清掃活動をしたりと、助け合う仕組みがちゃんと機能していますね。私もプライベートでも子どもを育てているので、地域の方々の見守りに安心感があります。
地域の行事や清掃に参加して、顔と名前を覚えてもらい、自分自身も地域のために参加できる行事には積極的に参加しています。」
上野村のいいところを教えてもらえますか?
「やっぱり、自然が豊かなところだと思っています。最近、中止の滝に氷爆を見に行って、人生で初めて氷瀑をみて「自然は偉大だな」と感じました。
子どもたちも自然の中では遊び方が大胆なので、できるだけ「やっちゃだめ」と言わないように見守って、五感を使って遊ばせられるところが魅力ですね。」
上野村でやりたいことや今後どうしたいとかありますか?
「ここ数年、山村留学をきっかけに上野村に家族で移住する方たちが増えているんですよね。都市部から農村地域に移住するにあたって、教育は大きなポイントだと思うんです。30年近く山村留学の事業をしている上野村の教育はすごく魅力的だと思います。
今後は、山村留学をきっかけに移住してくる人を増やしていきたいなと思います。
山村留学では、都市部とは違った学びの機会がたくさんあるので、山村留学を通して、親御さんもそうですが子どもたちに、こういう生き方もあるよという選択肢を増やしてあげたいです。」
上野村に訪れる人に一言お願いします!
「まず、季節が鮮やかなところを見に来てほしいです。里のあちこちに花の咲く春、新緑がキラキラ芽吹く初夏、紅葉の見事な秋、水墨画のような風景が広がる冬。ぜひ一度きてみてほしいです。また、上野村の郷土料理がとても美味しいですよ。打ちたてのうどんや、漁師の方々が仕留めたシカやクマのお肉、十国味噌やしいたけ。地元のみなさんが誇りを持って育てる「赤芋」というじゃがいもなど。そういう飾り気のない日常の豊かさを体験してほしいですね。」